川瀬一馬先生の御学恩

●昨日は、思いがけず、川瀬一馬先生のお名前が出た。「日本の古本屋」に新宿の鶴本書店が、川瀬先生の御蔵書の中にあったものを出品したらしい。私から川瀬先生に御報告のためにお贈りした、ペラペラの冊子である。

■『可笑記』の諸本について 深沢秋男、昭和43年日本近世文学会春季大会・発表参考資料 川瀬一馬氏への献呈サイン 鶴本書店 500円

●川瀬先生に、初めてお会いしたのは、昭和42年5月である。前田金五郎先生に紹介してもらい、上野毛の御宅へお伺いした。吉野の橿原にある龍門文庫の所蔵本閲覧に関してである。7月30日、龍門文庫の『可笑記』を調査した。川瀬先生の前で調べさせて頂いたが、大大先生ゆえ、大変緊張した。以後、何回か龍門文庫にはお世話になっている。

●川瀬先生は、長澤規矩也先生と『書誌学』という雑誌を出しておられ、そんな関係で、様々な御指導を賜った。先生が、昭和56年に大東急記念文庫で開催された「日本出版文化史」も受講させて頂いた。

●『書誌学』復刊 新28号(昭和56年7月5日発行)は、「長澤規矩也博士追悼号」で、川瀬先生の御配慮で、私も執筆させて頂いた。その後、川瀬先生からは、『書誌学』に手伝って欲しいという御手紙を頂いたが、所謂“書誌学”には自信もないので、積極的な御返事は差し上げなかった。そんな事もあった。今は、感謝するのみである。

■『書誌学』復刊 新28号

■長澤先生追悼文

■『文学研究』第28号 昭和43年12月