地震対策に古文書の記録を活用

●今日の朝日新聞に、地震対策のひとつとして、過去の記録の活用が報じられている。東大地震研の教授だった宇佐美龍夫氏は、この調査をはやくから実施され、その成果が『新収日本地震史料』27冊にまとめられているとのことである。また、早稲田大の中村操氏や地震予知総合研究振興会の松浦律子氏は、1855年の安政江戸地震の研究に取り組んでおられるという。幕末の記録『藤岡屋日記』なども活用されているという。

●実は、『井関隆子日記』にも、江戸・九段坂下で感じたり伝聞した、天保11年〜15年の間の、地震の記録がある。これに関する研究として、真下英信氏の 「『井関隆子日記』に見られる地震の記述」(慶應義塾女子高等学校研究紀要、第26号、2009年3月)がある。

●真下英信氏の調査によれば、天保11年〜15年のほぼ5年間、1753日間に江戸で記録された有感地震は192回となり、このうち、『井関隆子日記』に記されているのは68回であるという。この真下氏の研究も、是非とも、専門家に活用して貰いたいと願っている。

■「安政江戸地震」1855年。中村操氏の解析による。朝日新聞より。