研究の軌跡

●昨日は、川越の笠間先生をお訪ねして、お元気な様子を拝見し、これまでの長い研究生活の経過について、長時間、お話をお伺いすることが出来た。笠間先生は、法政大学の大学院で、重友毅博士の指導の下に、芭蕉・蕪村等を研究され、現在は91歳になられる。平成24年を直前して、見事な達磨の飾り物を彩色して飾っておられた。

●笠間先生は、昭和28(1953)年7月、法政大学大学院の学術雑誌『文学研究』が創刊された時、実行委員であった。その後、常任委員になられ、御病気で倒れられるまで、俳諧研究を続けておられた。多くの論文を雑誌に発表されながら、それらを著書としてまとめて刊行する事はなかった。学会の諸先生からも単行本化を勧められることも少なく無かったという。しかし、先生には先生の方針があり、今日に及んだと仰る。本当に頭の下がる態度だと尊敬する。

●私は、過日、「はてなキーワード」に、次のように書き込んだ。

〔研究主題〕
【1】 仮名草子。斎藤親盛(さいとう ちかもり、如儡子・にょらいし)。
【2】 井関隆子(いせき たかこ)。
【3】 鈴木重嶺(すずき しげね)。

〔研究の実践〕
【1】 重友毅博士主宰の「日本文学研究会」に参加。出席回数は450回以上。午前中はゼミ形式で、近世文学、近代文学を採り上げ、活発な討論を行う。午後は、会員の研究発表、質疑応答。対象は古代・中世・近世・近代・国語教育。この会で口頭発表し、修正して、会の機関誌、学術刊行物『文学研究』に発表。
【2】 島本昌一氏と「近世初期文芸研究会」を創設。特に貞門俳諧作品の注釈を行う。仮名草子関係の論文は、機関誌『近世初期文芸』に発表。現在は責任編集者。

【3】 野田寿雄先生の主宰される第1次「仮名草子研究会」に準備会から参加。仮名草子作品を採り上げる。
【4】 「昭和女子大学・日本文学研究会」に参加。研究発表は3回。
【5】 「日本近世文学会」に参加。研究発表は1回。
【6】 「全国大学国語国文学会」研究発表はせず。昭和女子大学開催時には諸事協力。
【7】 「芸文稿の会」毎年1回研究発表。

●重友先生をはじめ、市川先生、小沢先生、笠間先生などの大先輩の御指導がなければ、ここまで、自分の研究を継続し、発表することは出来なかった。平成23年、2011年を送るに際して、日本文学研究会の諸先輩や、学界の多くの先学・研究者の方々に、心から感謝の意を捧げる。

■『文学研究』創刊号  昭和28年(1953)7月発行 

■『文学研究』第19号  昭和39年(1964)5月発行
私の最初の論文を掲載

■『文学研究』最終第95号  平成19年(2007)4月発行


■『近世初期文芸』第1号 昭和44年(1969)12月発行


■『近世初期文芸』第28号 平成23年(2011)12月発行


■年末の我が家の小庭も、枕木は朽ちて衰えたり