自費出版の勧め

朝日新聞の「55プラス」で自費出版を採り上げ、今日で4回目になる。作家の中山千夏氏は、2004年に、NPO法人〈日本自費出版ネットワーク〉を創立されて、代表理事を務めておられるとのこと。商業出版になじまない優れた研究や詩歌はたくさん残っている。これらに光を当てて、後世に遺そうという目的で、毎年1回、日本自費出版文化賞をを開催して、優れた著作を表彰しているという。

●第14回の今年の、自費出版文化賞・大賞は、杉山四郎氏の『アイヌモシリ・北海道の民衆史』(中西出版)である。著者の杉山四郎氏(64歳)は元高校教諭で、道内の歴史的な記念碑、約300基を調査して、北海道開拓を支えた民衆の歴史を1冊にまとめたものという。私も、是非、購入したいと思う。

●私は、70冊ほどの本を出しているが、出版に当って、出版社に対して、「この本は売れます」とは1度も言った事が無い。ただ、「この本は内容が良いので、出版の価値があります」と言って、出版をお願いしてきた。私の書いた本は、概して商業出版にはなじまないものなので、文部省の出版助成を受けたものも何冊かあり、自費出版も4冊ある。

①、可笑記評判 昭和45年12月25日、近世初期文芸研究会発行、非売品。
②、鹿島則孝と『桜斎随筆』 平成5年6月25日、深沢秋男発行、非売品。
③、神宮々司拝命記 平成10年7月25日、深沢秋男発行、非売品。
④、斎藤親盛(如儡子)伝記資料 平成22年10月25日、近世初期文芸研究会  発行、非売品。

自費出版は、この4点である。いずれも、商業出版には縁遠い内容のものである。しかし、このようなアクションを起こさずにいられない衝動があった。そして、この実行が、『近世文学資料類従・仮名草子編』や『仮名草子集成』や『浅井了意全集』や『桜斎随筆』(全18巻)に繋がった。

●著作したら、原稿を机の中に保存しないで、ドシドシ出版して、興味のある読者に読んでもらえるようにすべきだと、私は思っている。

朝日新聞、12月5日

可笑記評判 昭和45年12月25日発行

鹿島則孝と『桜斎随筆』 平成5年6月25日発行

■神宮々司拝命記 平成10年7月25日発行

■斎藤親盛(如儡子)伝記資料 平成22年10月25日発行