『百味』の編集長 中村雄■氏

●今日、斎藤内科へ行き、血液検査をしてもらい、隣の珈琲樹屋へ寄って、美味しい珈琲とモーニングを頂いた。お馴染みの皆さんと雑談・歓談中、月刊『百味』2011年12月号を頂いた。例によって、見事な表紙の写真は、高本裕久氏の撮影で、提供はみのきち。

●帰宅して、『百味』をペラペラと拝読。巻末の「編集室」を見て、驚いた。

「内々のことながら、この場を借りて訃報をお伝えしなければなりません。本誌編集長を務めてきた中村雄■(日の下に卭)(なかむら・ゆうこう)が、去る11月4日、71歳で他界致しました。」

という、高橋恭子氏の編集後記。中村氏はこの『百味』を、458号から、今月の626号まで、14年間、170冊の編集を担当されてきて、この11月に他界されたという。これだけの月刊誌を14年間続けるということは、エディターとして大変な歴史である。

  心から、御冥福をお祈り申し上げる。

●この『百味』12月号、通巻626号には、佐瀬 朗氏の「評伝 天才啄木 〈その8〉」が載っている。実は、佐瀬朗は、中村氏のペンネームだという。「評伝 天才啄木」は、時々、拝読、うまいなーと思っていた。

●かなり前、樹屋のマスターに「fuakiの日記」を渡したら、中村氏に届いたらしく、御返事を頂いた。

「・・・「fuakiの日記」も興味が尽きません。『可笑記』の作者の研究に専念されておられるとのこと、いつか御作を拝見したく思います。
酒田の東急インに、もう今はないと思われますが、フランス料理の名店「ル・ポトフ」、二回食べただけですが、未だに、あの素敵な味は忘れられません。今、どうしても食べたいのは、鶴岡のイタリアン。シェフの腕もさることながら、海の恵みの素晴らしさが花を添えているのでしょう。・・・」

と書いて下さった。さすがに、味覚の達人、と敬服した。
●食通のために、瀟洒な雑誌を送り続けたエディターが、一人、世を辞した。

■『百味』 2011年12月号、通巻626号