墓碑銘は研究書

●今日は、久し振りに、陶玄亭散人にお会いして、池袋の美濃吉で美味しい食事をしながら、しばし、清談。私は、陶玄亭散人、安藤武彦氏の研究の軌跡を追ってみて、このように、うまく、研究人生を纏められた研究者は少ないと思う。

●研究テーマを近世初期の俳人・斎藤徳元に焦点を絞り、大学定年までに、研究の総括として、大著『斎藤徳元研究』(2002年7月15日、和泉書院発行、1064頁、35000円)を刊行。生涯をかけて収集された、御自分の徳元関係蔵書は、岐阜市歴史博物館に寄贈し、平成19年には、同館で、特別展「道三ゆかりの武将俳諧師 斎藤徳元」を開催している。また、平成8年には、徳元顕彰として、徳元句碑を、天ノ橋立、智恩寺に建立している。撰文は安藤氏、書は書家の奥様。

●昭和46年に、横山重先生は、「安藤君、徳元を貰ひしとて、欣喜雀躍してゐる。笹野堅のものより数段よくなるでせう。」と申された。今、振り返れば、その通りになった。

●私も、今年の10月には、斎藤広盛・親盛、秋盛等一族の記念碑の碑文を執筆した。ここまでは、陶玄亭散人に近づいたが、『斎藤徳元研究』に匹敵する『斎藤親盛研究』は未完成である。この余生、果たしてどうなるか。様々、考えさせられる数刻であった。

■安藤武彦著『斎藤徳元研究』

■斎藤徳元 句碑

■齋藤筑後守記念碑