中国の電子書籍の海賊版

●今日の朝日新聞によれば、中国の作家たちが、電子書籍海賊版に反対の声をあげたという。日本でも、文藝春秋社はじめ、作家の人々がアップルなどに、電子書籍販売の実体の公表を迫ったが、今度は、中国の著作権所有者が、立ち上がった。

「アップルが9月下旬、北京市第2中級人民法院(裁判所)に著作権の侵害で訴えられ、賠償金650万元(約7900万円)を求められている。ソフト配信サイト「アップストア」で、中国の人気作家韓寒さん(29)ら6人の小説、23作品(中国語版)の海賊版が売られているというのだ。
 訴えたのは、中国の青年作家や出版業者で作るNGO「作家権益保護連盟」(事務局長・貝志城さん=37)。貝さんは「利用者が正規版だと思ってお金を払ってダウンロードした作品の多くは海賊版だ。そのもうけの3割はアップルが得ている」と主張する。
 訴えについてアップル(北京)は、朝日新聞の取材に「裁判中なので返答できない」と回答した。」(朝日新聞デジタル より)

朝日新聞・北京の吉岡桂子氏のレポートによると、中国でも電子書籍の普及が急速に伸びているという。インターネット人口は、2011年現在、4億8500万人だという。日本とはケタ違いの数である。紙の本・電子書籍の関係も、また、電子書籍の不法自炊販売も、半端の損害額ではない。中国政府のネット社会への対応は、かなり複雑で、むつかしい状況だと推測される。今後の動向に注目したい。

朝日新聞 11月21日