『近世初期文芸』 第28号

●今日、『近世初期文芸』 第28号の表紙の初校が届いた。この号は、安藤武彦氏、位田絵美氏、田中宏氏、田村寛三氏、花田富二夫氏の御論考と、私の関係所論、報告等を収録することができた。発行は12月末であるが、昭和44年(1969)の第1号発行から40年余が経過している。第1号には、荻野秀峰氏、島本昌一氏、それに、私の「『可笑記』の本文批評」46頁が収録されている。島本氏の『徒然草』の受容も、荻野氏の末吉道節考も労作である。

●この第1号を発行した時、「近世初期」に時期を限定するとは小さ過ぎる、という大家のお叱りを頂いた。40年後の今日、如何であろうか。近世初期、元禄期、近世中期、近世後期、浮世草子、読本・・・、そんな意識は無いのであろうか。私は、近世初期に焦点を絞ったことが、決して小さ過ぎたとは思っていない。1号〜27号に、論文・資料紹介等々、150点を掲載している。近世初期の貞門俳諧や談林俳諧仮名草子、その他の記録や資料に光を当てたのは、効果的だったと、今、思っている。事を始める時、その意図には、確たるものが要求されるだろう。

●今日、九州大学の雅俗の会から連絡を頂き、『雅俗』復刊を知らされた。この雑誌は、平成15年に第10号を発行して休刊していた。それを今度復刊させるという。私は、早速、購読を申し込んだ。復刊の『雅俗』は、研究論文のほかに、学術エッセイやコラムなどの、肩の凝らない読みものなども掲載して、若手研究者にとっては、同業者への自分の存在をアピールするチャンスの場にもしたいという。日本文学研究が低迷している時、このような休刊誌の復刊は慶事である。10年、50年と継続して欲しい。

●『雑誌新聞総かたろぐ 2012版』

近世初期文芸 キンセイショキブンゲイ  
 掲載分野 0580 文学・文芸総合
◎1969.12.00創刊、◎年刊、◎雑誌、◎日本語、◎B5、◎平均90頁、◎最大246頁、◎非売品、◎会員配布、◎実売日12月20日、◎発売元 359−1104 埼玉県所沢市榎町3−20 近世初期文芸研究会 04−2924−7293、◎発行500部、編集責任者・深沢秋男、◎読者構成=大学図書館・近世文学研究者、◎内容=近世初期文芸研究会の学術研究誌。近世初期(元和・寛永〜元禄)の仮名草子俳諧・和歌などの文芸作品の翻刻および研究論文を収載、◎広告無し、◎HP=「近世初期文芸研究会」http://www.ksskbg.com/

■『近世初期文芸』 第28号