〔自炊〕 大盛況

●かなり前に、秋葉原で自炊代行をした業者が問題になったが、その後、自炊代行業者が続々と誕生し、先日、大手出版社や著作者が、自炊代行業者、約100社に質問状を出したと報じられた。今日の朝日新聞によると、自炊代行業者の「自炊代行ドットコム」が、質問状、熱烈歓迎とネット上で反論したという。出版社・著作者と自炊代行業者が対立し出したらしい。この代行業にも、オモテとウラが透けて見えて、いずれは、海賊版に繋がるだろう。この辺りがやっかいである。

●原稿用紙に向かって、1枚1枚原稿を執筆し、編集者が判定して、製版・印刷して本は出版される。自炊業者は、その商品を何の苦労もなく、ただスキャンして電子化して利潤を取る。ネットを利用してファンドなどでボロ儲けする手合と、スコップで土を掘って労賃を得る労働者との関係に通じる。

●しかし、出版界も、この電子書籍時代に本気になって立ち向かって欲しい。2000年に、菊池氏と〔J−TEXTS 日本文学電子図書館〕を立ち上げて、公開コンテンツの問題で、主要出版社にアンケートを発送したが、殆ど返信は無かった。いかに、出版社がネットに無関心であったかがわかる。それから13年、今や無関心ではいられない。自分の利益を守るためにも、真剣に対応して貰いたい。

朝日新聞 9月19日

■自炊代行業者