『源氏物語』 伝来史

●平安朝文学の研究者、上原作和氏の『光源氏物語傳來史』が10月に刊行されるという(2011年10月、武蔵野書院発行、四六版/上製本/予価:3000円+税)。おおよその内容は、次の通りである。
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目次

一 はじめに
二 『源氏物語』の時代 
三 廿巻本『源氏物語絵巻』詞書の本文史─「〈摂関家伝領本〉群」と別本三分   類案鼎立のために
四 「秘伝」から「秘説」へ――『原中最秘鈔』の學史と學統
五 源平政権交代史の幻影――『太平記』外伝
六 阿仏尼本 『源氏物語』傳來史
佐渡時代の大島本『源氏物語』と桃園文庫
八 〈戦国時代〉の『源氏物語』本文史研究 
九 『源氏物語』本文研究誌伝
十 「幻の『源氏物語全註釈』――萩谷朴小伝
水仙の花
『校異源氏物語』の時代――桃園文庫の人物群像
桃園文庫の『源氏物語
附篇
十一 葦手・歌絵を思ひ思ひに書け─書と絵と歌の力と王朝物語の生成 

光源氏物語伝来史』を読むための人物誌

初出一覧
終わりに
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●実は、著者は、佐渡時代の大島本の伝来に関して、最後の佐渡奉行鈴木重嶺の資料に着目され、これを援用して、源氏物語伝来の一面を明らかにされる由である。鈴木重嶺の関係資料の定着に努めてきた私としても、このように活用されることは有難い。

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