草間彌生氏の回顧展

朝日新聞、7月27日夕刊に、草間回顧展の特集が出ている。大西若人氏の執筆である。回顧展は、スペインのマドリードの国立ソフィア王妃芸術センターで開催中という。今後、ロンドン、パリ、ニューヨークと巡回する予定だという。回顧展を鑑賞した大西氏は、

■「まさに正統的なモダニズムの作家だとも理解できる。鏡の部屋での反射で無限に続く電球の群れや、増殖の強度を増した新作絵画に至るまで、「無限性」を核に、常に自身の内面に向き合う姿勢が、見事な一貫性を感じさせるからだ。」

と批評している。草間氏は自身のかかえる、幻覚や脅迫観念と闘いながら、余人では至り得ない芸術的境地をキャンバスに表現し続けているように思える。

●7月24日の朝日新聞で、草間氏は、仕事は全人格を注ぐもの、と言い、10代の頃から周囲の人たちの冷たい視線を受けたこともあったが、自分は自分の生きたいように生きると決めて、それを実行してきた。苦しいこともあったが、この道を歩いてきて、本当によかったと思う。私は「芸術に全てをかけて生きる」を指針にしている。と述べている。

現在、82歳。見事な人生だと、この非凡な芸術家に敬意の念がわく。

朝日新聞、7月27日夕刊

朝日新聞 デジタル より 

マドリードの国立ソフィア王妃芸術センター 大西若人氏撮影