如儡子・斎藤親盛からのプレゼント

●昨日、長井市の斎藤豪盛氏から宅配便が届いた。表に「割れ物」と書かれている。開けて見て吃驚した。斎藤家第13代豪盛氏揮毫の色紙と木村盛康先生作の油滴天目夫婦碗が入っていた。早速、お電話して御礼を申し上げた。ただし、豪盛氏は外出とのことで、第14代康盛氏とお話した。

●豪盛氏の色紙には「(炬峯)感謝/深沢先生/油滴天目夫婦碗/湯呑/親盛「(士峯)/(豪盛)/豪盛「(炬峯)/平成二十三年四月吉日」とある。もちろん、平成の現在、延宝2年(1674)没の如儡子に署名できる訳はない。斎藤家第13代の豪盛氏が代筆して下さった。一生懸命、如儡子の事、斎藤家の事を研究している私に、「感謝」して、油滴天目の夫婦碗をプレゼントして下さったのである。有り難い事だ。

●桐箱の表には「油滴天目/湯呑/小■目」とあり内側には「銘 筑後 盛康作(盛康)」とある。斎藤家第2代広盛は筑後守であった。如儡子の父である。親盛が父・筑後の銘の湯呑を、私たち夫婦に下されたのである。早速、妻に見せたところ、とてもお茶は頂けません。家のお宝です、と言う。さりさり。

●木村盛康先生は1935年で、私と同じ年。斎藤氏を介して何度もお会いしているが、とても同年とは思えない、数々段上の芸術家である。この度、賜った筑後銘の湯呑、黒色を地に鈍い銀色の油滴の重厚な作品。近世初期の戦乱を潜り抜けた武将の念いが伝わってくるように、私には思えた。

■斎藤豪盛氏の色紙

■木村盛康作 油滴天目 銘 筑後 湯呑