グーグル 全文検索 和解案 認めず

●24日の朝日新聞によると、2009年にグーグール社が進めた、書籍の全文検索サービスに関して、原告の出版社側と被告のグーグル社との間で交わした、書籍の電子化についての和解案を、ニューヨークの連邦地裁は認めない決定を下したという。原告・被告ともに抜本的な和解案の再検討をせざるを得なくなった。

「決定は、電子化によって得られる利便性は大きいとしながらも、和解案には公平性、適切性、合理性が欠けていると判断。グーグル社が、著作権者の合意なしに著作物から利益を得るのは、「行き過ぎ」とし、競合各社より有利な地位を与えてしまうと指摘した。」(ニューヨーク、田中光氏)

「地裁は、電子書籍の販売権などをグーグルに認めた和解案が、「著作権者の許可なく書籍を利用できる相当な権利をグーグルに与えた」として、「行き過ぎ」と判断。電子書籍を販売している米アマゾン・コムなど同業他社に比べて、競争上著しく有利になるとも指摘した。」(共同通信)

●2009年4月、日本の著作権管理団体「日本ビジュアル著作権協会」の会員、谷川俊太郎氏・倉本聡氏など174名は、グーグル社とアメリカの著作権者との間で成立した和解案を拒否した経過がある。この和解案は、グーグル社は収益の63%を著作権者に支払うというものであるが、この和解案の効力は、「ベルヌ条約」によって、アメリカだけでなく、日本などベルヌ条約締結国全てに及ぶことになるので、今後の世界の出版界にも影響が出るだろう。

朝日新聞 3月24日