被災 そして 巣立ち

●昨日は、鴻巣の免許センターへ行った。小手指→新秋津→武蔵浦和→大宮→鴻巣。電車を乗り継いで、はるばる来たという感じである。妻が免許証を紛失して再交付してもらうためである。私も妻に付き合って、初めて鴻巣という街を訪れた。途中、さいたまスーパーアリーナを電車の中から見たが、今回の震災で大規模避難された方々の荷物が、丸い建物の窓から見えて、心を痛めた。

●免許証の再交付は、午前中だけで118名であった。私達は112番目、暗証番号を確認して終了。帰途、バス停へ出ると、川越・東松山行きがあった。それで帰る事にした。

●バス停で、一人の若者に出会う。所沢まで出て飯能へ帰るという。東松山から新所沢まで、一緒だった。20歳の彼は、専門学校を卒業して、明日、香川県の会社に就職するため、御両親と離れて出発する由。何故、香川? と尋ねると、職種は和菓子の会社で、そこに、優れた職人がいて、しっかり腕を鍛えてもらうためだという。やがて、自分の店を持って、多くの人々に喜ばれる和菓子を創りたいと、目を輝かせていた。自分の生き方を自覚した、素直な好青年に出会って、そのことにお礼を言い、励ましの言葉を贈って、新所沢で別れた。妻も私も、この度の被災者に心を痛めながらも、新しく人生のスタートに着く、清々しい若者に出会えた事を喜んだ。

鴻巣免許センター ネットの地図より