自然の力 人間の存在

●3月11日、東北・関東を襲った大震災は、M9と大津波で自然の威力を見せ付けた。被災地の人々も津波の恐ろしさは知っていて、備えも怠ってはいなかった。しかし、自然はさらに大きな試練を私たちに突きつけた。17日現在、死亡5370人、安否不明1万6826人、避難42万4058人、だという。

福島第一原発福島第二原発の被害は深刻である。今、世界が日本の福島を注視している。日本の国を挙げての、懸命な対応が続いている。原子力発電を開発したとき、様々な事故を想定して、専門家が検討して、対応できるような設備をしていたはずである。しかし、今回の津波は、その想定をはるかに上回った。私は、人間の小ささを、いやというほど感じている。人間は、自然によって生かされていると、痛切におもう。

●今回の日本の大災害に対して、世界の支援は広がっている。現在、116ヶ国から支援の申し出があるという。もはや、人類は、国と国との闘いではなく、人類と自然との関係になってるのだろう。アメリカも中国もロシアも韓国も、ヒト事ではないのだと思う。

●私の研究している、仮名草子作者、如儡子・斎藤親盛の墓は福島の二本松にある。御子孫の斎藤金型は山形の長井市である。ようやく連絡がとれて、会社も社員も無事であることを確認した。しかし、被災者のことを思うと、喜んではいられない。

●15日には、静岡県東部でM6.4の地震が発生した。私の故郷・身延町震度5弱だと報じられた。すぐ電話したが通じない。16日に連絡がつき、被害は無かったという。これも安心はしたが、喜んではいられない。

●教え子のTさんは、4月に結婚する予定であった。しかし、今度の震災に合って、結婚式は延期にすると連絡がきた。一人の人間にとって、結婚式は大イベントであるのに、自然は易々とストップをかけてしまう。

朝日新聞 夕刊 3月17日


■先日送られて来た『広報 みのぶ』

■2羽の鶴が招いてくれた 結婚式の案内状