降雪

●昨夜、関東地方にも雪が降った。山形・新潟・福島など雪国の天候には、毎日、ひやひやしているが、昨夜は、久し振りに『井関隆子日記』を読み直して、12時頃窓を開けたら雪だった。天気予報も外出の少ない日々ゆえ、余り注意していないので、静かに、何の音もなく降り積もる雪の景色には驚いた。久し振りである。1、2枚、写真を撮って就寝。朝、起きて外を見たら、もう大部分が溶け始めていた。

 下京や 雪つむ上の よるの雨   凡兆

●『去来抄』によれば、この句は、はじめ上五が無く、「雪つむ上のよるの雨」だけだった。芭蕉をはじめ、いろいろ考えたが、最終的に芭蕉がこの「下京や」に決めたという。ところが、凡兆は「いまだ落つかず」と言ったらしい。すると芭蕉は、「兆、汝手柄に此冠を置べし。若まさる物あらば、我二度俳諧をいふべからず」と言ったという。

●寒い夜、雪が積もったが、やや寒さもゆるみ、その上に雨が降り出した。そんな状景であろうか。それは、上京ではなく、六条七条など庶民的な下京がピタリであろう。この上五にかける芭蕉の自信の程が知られる。やはり、庶民詩人だなー、と敬服する。

■2月14日 深夜の雪