『本間寅雄著作目録』刊行

佐渡の北見継仁氏から『本間寅雄著作目録』を御恵与賜った。平成23年1月4日発行。佐渡研究の第一人者・本間寅雄氏は平成18年(2006)に79歳で他界された。この本間氏は、磯部欣三のペンネームをもち、1946年から2007年まで、佐渡に関する膨大な著作を遺し、生涯を佐渡文化の発掘・定着に捧げられた。佐渡研究では、山本修之助氏が大きな足跡を遺されたが、それに続く人は、本間寅雄氏だと、私は思っている。

●私は、鈴木重嶺の資料調査で、何度も佐渡を訪問しているが、平成13年9月に、毎日新聞の磯野保氏をはじめ、多くの佐渡の方々にお会いして、多くの御指導を賜った。その時、本間寅雄氏にもお会いしている。非常に温和な方であるが、佐渡の事に関しては、汲めども尽きぬ豊富な材料を内蔵されている方だという印象だった。この度の、著作目録を拝見して、納得できた。

●その折、本間氏は、蔵田茂樹の『恵美草』の千畳敷の条に、井関隆子が歌を寄せているが、この「ともしきろかも」とは、どういう意味か、私に質問された。

「いづくはあれど、ここのあそびのいとうらやましくて、
   すがすがだたみ千重敷いそにうたげせるさどのしま人ともしきろ鴨 隆子」

隆子は、茂樹の『恵美草』を2度も書写している。このように見事な景色の中で酒宴を開ける佐渡の人々は幸せで、私は羨ましい、というのである。多分、本間氏も納得されたものと思う。

■『本間寅雄著作目録』
この目録の詳細→http://www.ksskbg.com/sonota/shin.htm