歯科医師のエッセイ

●いつも美味しいコーヒーを淹れてくれる〔樹屋〕へ寄ったら、マスターが、三上政雄氏のエッセイ集『おやおや』(2010年12月24日、喜怒哀楽書房発行、1500円+税)をプレゼントしてくれた。毎月、素晴らしい写真で表紙を飾るタウン誌『百味(ひゃくみ)』の編集者の関連で下さったという。

●職業柄、本を貰うと、とにかく嬉しい。奥付を見たら、著者は歯科医師。ちょうど、今、私は、板倉歯科で前歯の治療中でもあり、早速、拝読した。実に面白い。「愉快な仲間たち」も、私なども思い当たるフシが数々あって、面白い。そう言えば、我々の仲間にも、こんなタイプの友がいるナ、と思う。「にぎやかな診療室」もウンウンとうなずきながら拝読した。治療する先生の側から見れば、様々なタイプの患者に出会って、様々な感慨を持つのだろうと思う。言わば、様々な人間模様が描かれる。家庭の介護のクダリでは、身につまされるものもある。

●患者の中には、医師に対して、治療の方法や薬についても、根ほり葉ほり質問する者もいるようだ。私は、子供の頃から、お菓子を食べ過ぎて、虫歯には悩まされてきた。だから、歯医者さんの治療は、山ほど受けている。しかし、治療中は目をつむって、先生の治療具を見たことはない。想像はするけれど、予測や質問は、極力しないことにしている。先生の御指示の通りに、イソイソと通院し、その技に感動し、感謝している。

■三上政雄著『おやおや』

■『百味(ひゃくみ)』2011年2月号