短歌活動 は 脈々 と

●年末から取り組んできた「鈴木重嶺(翠園)関係資料紹介(8)」が、今日、ようやく脱稿した。400字詰で約100枚。昭和女子大卒業生・菅野氏の協力もあって、ここまでこぎつける事ができた。有り難いことである。この作業は、100年前の歌人の足跡の定着である。

●重嶺が80歳になった時、傘寿を記念して1冊の短歌集『翠園寿筵歌集』が編纂・刊行された。従一位近衛忠熈久我建通・正親町実徳・勝安房・松浦詮・黒川真頼・井上頼国・萩野由之・佐々木信綱・鶴久子・中島歌子・・・など約1050余名が歌を寄せている。重嶺と交流のあった、名士・友人・門弟・親族などである。東京・佐渡などの人が多いが、門弟は日本全域に及んでいる。巻末に、鈴木重嶺は、次の歌を収録している。

 色かへぬ庭の老松我も世にあらんかぎりはなれを学ばん 従五位 鈴木重嶺

●昨日、短歌雑誌『あかね』の最新号、第27巻 第1号(2011年1月)を頂いた。同郷の大先輩、若宮貞次氏の編集兼発行人の短歌雑誌である。隔月刊、年6冊、26年間、継続刊行しておられる。各地区の歌会は、東京むさし野歌会・小金井いずみ短歌会・山梨中央歌会・塩山歌会・冬葵短歌会などがあるらしい。この最新号に収録されている歌人の出身も、東京・川崎・横浜・甲府南アルプス富士川・・・、やはり、東京と山梨が多いようである。それにしても、若宮貞次氏の主宰する『あかね』を舞台に短歌の創作活動を続ける人々は何人くらいであろうか。明治の旧派歌人・鈴木翠園の事と比較して、ふと、そんな事を思った。

■『翠園寿筵歌集』明治26年9月19日発行

近衛忠熈 の 筆



■『あかね』第27巻 第1号(2011年1月発行)