今年も 鈴木重嶺 で越年

●12月も31日、今年も今日で終りである。12月には、2回昭和女子大学図書館へ伺った。鈴木重嶺翠園文庫の新収資料の調査のためである。そのまとめを済ませて、現在は、私が新しく入手した重嶺の資料調査に取り組んでいる。確か、昨年も同様に、年末に鈴木重嶺の資料の調査をしていたと思う。4月発行の『芸文稿』に掲載するためである。今回も、昭和女子大学の卒業生の菅野氏に手伝って貰っているが、重嶺研究を継承してもらえれば有り難いと思っている。

●『現今自筆百人一首』網野延平編、明治19年10月2日発行。
 ○上等製本彩色入奉書摺 全1冊 定価金75銭
 ○中等製本白紙印刷仕立 全1冊 定価金50銭
私の所蔵本は、中等製本白紙印刷仕立である。
網野延平の短冊は何枚か持っているが、こんな仕事もしていた人物であった。

「寄蛍恋         重嶺
 ほたるたにひるはもえぬを君をわか おもひはよるにかきらさりけり」

●『類題武蔵野集 二編』仲田顕忠編、安政4年8月発行
  京寺町通松原     勝村治右衛門
  大坂心斎橋北久太郎町 河内屋喜兵衛
  江戸日本橋通二丁目  山城屋佐兵衛  相版

「雨中鶯
 おなしくはぬるとも花のかけにとも 雨の日くらしうくひすの鳴
               穂積  鈴木重嶺

●『明治五百人一首 初編』弾舜平編、明治23年6月25日発行。

「竹  東京 従五位 七十七翁 鈴木重嶺
 くれたけの千代もとこそと思はねと あらまほしきは操なりけり」

■『現今自筆百人一首』網野延平編


■『明治五百人一首 初編』弾舜平編


■『類題武蔵野集 二編』仲田顕忠