電子書籍海賊版、村上春樹・ロシア語版

電子書籍海賊版、中国語版・日本語版に続いて、今度はロシア語版で、村上春樹氏の作品50が発覚した。目次画面に作品名が並んでいて、作品名に触れると作品の本文が表れるという。村上氏の作品をロシアで出版している「エクスモ」では、「電子書籍とは無関係、iPhneのことも全く知らない、公式なものではないだろう」と話したという。

●紙の本などの著作権に関しては、万国著作権条約があり、これに加盟している国では、コピーライトのマルシー(○の中にC)を奥付に表示すれば、一定年間保護されている。しかし、加盟していない国もあり、また、この世界でも海賊版はあった。中国の海賊版は、私も何点か割安で購入したことがある。しかし、電子書籍の場合は、いとも簡単にスキャナーなどでデータを取り込めるので、さらに大きな問題になる。アップルの「アップストア」としても、数が膨大ゆえ、などと言って済ます訳にはゆかないだろう。著作者は、生命を磨り減らして、作品をクリエイトしているのである。それを、何にも生み出す苦労も労働もしないヤカラが、開発したソフトで暴利をむさぼるのは、まさにハゲタカと言われても仕方は無いだろう。と、私は思う。

朝日新聞夕刊 2010年11月11日