90年の歴史

●今日は、久し振りに昭和女子大学へ行った。創立90周年記念式典に出席するためである。大正9年(1920)9月10日、創立者・人見圓吉(東明)は、有志4名と共に、日本女子高等学院を創立した。これが、昭和女子大学の前身である。昭和24年(1949)、新学制によって昭和女子大学と改め今日に及ぶ。幼稚園から大学院博士課程までを擁する学園となり、平成22年(2010)5月現在の、学生・生徒・児童・園児の総計は、7832名という大学園に発展した。

●記念式典は、11時からであるが、私は、久し振りに現役時代と同じ時間に家を出て、大学に8時半に到着した。日本文学科のK先生と打ち合わせがあったので、2時間余り、図書館で話し合った。内容は国学者の書写本に関することであったが、久し振りに、快い疲労を感じた。

●式典は、これも久し振りのこと故、感動する点が多かった。創立者人見圓吉の録音による「開講の詞」、元総理大臣福田康夫氏の祝辞、祝歌斉唱などなど。私が最も感動したのは、第二次世界大戦前後の時期に、昭和女子大学で学んだ、インドのバーラティ・アシャ・チョードリさんの学生時代の思い出話であった。母国インドの軍隊に参加するため、学業をやめて、恩師や学友に敬礼して、日本を離れた時の、彼女の心中は察するに余りあるものがある。彼女は、今、83歳だという。私は、2つ目の心地よい疲労を覚えながら、帰途についた。