世界遺産 アクロポリス

●今週の『週刊 世界遺産』はアテネアクロポリスである。巻頭に夕日に映えるパテノン神殿が載っている。平成5年(1993)8月23日、アテネ着、バスの中から眺めた光景である。パルテノン神殿の大理石の柱に手を触れて感動した。

●次の日、アテネから長距離バスで、コリントスオリンピアへ移動。自己紹介のマイクが廻って来たので、大学時代、石田英一郎先生の文化人類学の講義の時、スライドで見たパルテノン神殿を直接見られた感激を話した。話し終わって座ると、隣席のM氏が、円高の御蔭ですよ、と耳打ちした。当時、ギリシャドラクマで、確か1ドルは125円くらいだった。2010年の現在、その円高で、政府や日銀が苦慮している。

コリントス運河の壮大さ、オリンポス神殿・オリンピア競技場、いずれも感銘したが、デルフィの遺蹟には、非常に考えさせられた。ここに祀られた神々の神託を受けずに、経済的・政治的判断はなされなかったという。いわば、政治・経済の心臓部と言ってもいいのだろう。私は、この古代ギリシャの大文明の背後に、デルフィのある事を初めて知った。

■『週刊 世界遺産』はアテネアクロポリス

■デルフィの聖地(『週刊 世界遺産』より)

ニコンを片手に、パルテノン神殿を後にするのは誰?
1993年8月27日 撮影