表 彰 先生 さようなら

●今日の朝日新聞の訃報記事で、表彰先生の御他界を知らされた。

 まず、表先生の御冥福を心からお祈り申し上げる。

●8日の記事には「能楽史の研究に大きな足跡を残した能楽研究者で、法政大学名誉教授の表彰(おもて・あきら)さんが死去していたことが7日わかった。83歳だった。」とある。白髪のお写真も掲載されている。大きな研究を為し遂げた学者の見事なお姿である。

●先生は、本年、3月、2010年度の日本学士院賞・恩賜賞を受賞された。長年の研鑽の努力が報われたと、私は、心からお祝い申し上げ、本当に嬉しかった。私は、専攻が近世文学ゆえ、中世文学の表先生には、教室の講義で御指導を頂き、御著書から学ばせて頂いたのみであった。しかし、長澤規矩也先生の関係で、何度も同席させて頂き、純粋に学問のことをお伺いさせて頂いた。先生の御講義は、大変厳しく、その、学問への厳しさが、長い時間に充分耐える、ビクともしない御研究に結実したのだと思う。

■2010年9月8日 朝日新聞