萩の花

●妻が植えた萩の花が、ささやかに咲いた。道路に面したスッキリポールの側で秋を告げている。ちょっと変った萩です、とサイクン。庭にも萩があったと思うが、今日、見たら、いつの間にか無くなっていた。私もリタイアして、毎日、家に居るのだから、少し草花にも気を遣いたいと思う。

●井関隆子は、草花が大好きで、鹿屋園(かやぞの)の草花を毎日、毎日眺めたり、手入れをしたりしていた。天保11年(1840)8月16日(現在では、9月の23日頃か)、の日記に、

「前栽の萩、とく咲きたるは、少しうつろひ、軒端に近きは、昨日今日、むらむらと咲きそめたるに、昔の人の玉にぬきわびけむ、白露さへおきわたりたる匂ひこよなし。紅葉よりさきの錦は、是にしく物はあらじ。何をたてぬきに、かくはなど、見るもをかし。
 呉羽どりあやの手人がおるはたの錦と見ゆる萩が花かも
おほかたの花ども見るに、咲きそめたるきはなむ、清らに匂ひも殊更なるに、そが中にも萩は、いたく咲きこぼれたるを、遠方より見れば、いみじかれど、近うよりては、とく咲きたるが色変りて、枝にしぼみつきたる、きたなげに見ゆ。・・・」

●隣の家の御主人は、大変な花好きで、毎日、丹精こめて、綺麗な花を咲かせている。先日、お話を伺ったら、盛りを過ぎた花びらを、こまめに取るのが大切だと教えてくれた。

■ささやかな 萩の花