『日本文学』 と 私

●月刊『日本文学』の創刊号は、1952年(昭和27年)11月発行で、発行人は、日本文学協会の近藤忠義である。広末保・古田拡などが執筆している。全て法政大学の先生である。私は、大学3年の頃から、この会員となり、『日本文学』の定期購読をしていた。この雑誌は、当時の学派で言えば、歴史社会学派に共鳴する人々が主体になっていたように思う。文学研究において、その作品の歴史的・社会的な背景を考慮することは有効だと考えた。私は、卒論の頃から、『徳川実紀』『徳川禁令考』など、江戸時代の歴史書を活用していた。

●私の所属した、日本文学研究会は、法政大学の先生が中心に発足した。顧問は、西尾実重友毅・近藤忠義・片岡良一・永積安明・西郷信綱・田中允、常任委員は、小田切秀雄・小原元、実行委員は、大学院修了生。会の機関誌『文学研究』は、1953年(昭和28年)7月創刊である。創刊号には、新日本文学会・日本文学協会から祝辞が寄せられている。

●『日本文学』も『文学研究』も、戦後、7年目、8年目に創刊している。発刊の趣意を見ても、戦後の新しい出発への熱い思いが伝わってくる。私は、やがて、日本文学協会を辞めて、日本文学研究会に所属した。やがて常任委員となり、平成19年(2007)『文学研究』第95号の終刊まで、お世話になり、会の解散に参加した。

■『文学研究』創刊当時の日本文学研究会の役員

■『文学研究』創刊号に寄せられた、日本文学協会の祝辞