サイギョク サイギョク
●5月も今日で終り。この1ヶ月、あけてもくれても、サイギョク サイギョク で過ごした。何年か前、3年ががりで、オーサイ オーサイ の時間を過ごした事を思い出す。鹿島則孝の『桜斎随筆』の時である。あれも、シンドかった。しかし、その努力の御蔭で、7000ページの膨大な、幕末・維新の記録が確実に後世へ伝わる事になった。
●斎藤親盛(如儡子)は、随筆的な仮名草子『可笑記』を脱稿の後、「百人一首」の注釈に取り組んだ。15帖・209丁、本文にも頭注にも漢字には振り仮名を付け、易しく、易しく、一首一首を噛み砕いた。精魂込めて書き上げた注釈書に「砕玉抄」と命名した。
●私は、毎日、毎日、如儡子の書いた文章を、1字1字追っている。『桜斎随筆』の作業は、複製ゆえ、無私の行為であったが、今度は、校訂なので、少しは頭の働きが要求される。しかし、如儡子の苦労に比すれば、万分の1にもならないだろう。
■■『砕玉抄』