図書館の情報発信

●菊池氏がエッセイで、最もオープンで利用しやすい図書館として、関西大学図書館をあげておられる。ウェブ目録で和本の検索が出来るし、貴重書以外は和本でも自由にコピーさせてくれるし、著作権の切れたものは、活字翻刻を発表する場合、許可申請が不要だという。確かに、他の図書館では望めない事が多い。また、貴重書の場合、画像データの公開が望まれる、とも言っておられる。

関西大学図書館には、私も何度もお世話になっているが、そこまで進んでいるとは気付かなかった。ただ、中村幸彦先生の蔵書が、関西大学図書館に収蔵された時の対応に感激した。現在でも同館のウェブ上の「中村幸彦文庫」を見ると、実に公開的で、利用者にとっては有り難いものである。

●和本の画像データ公開も、国会図書館東京大学図書館、京都大学図書館、早稲田大学図書館など、最近はかなり進んできているが、今後、ますます公開の方向に向かうだろう。筑波大学図書館の和本調査にも大変お世話になったが、ここは、和本コーナーの入口の鍵を借りて入り、自分で該当書を探すシステムである。これは、研究者にとっては、有り難い点もある。

●図書館の役割には、資料の保管と閲覧・情報発信などがあり、その管理・運営は、大変だと思うが、ネット社会に対応した改良が続けられてゆくのであろう。

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