国会図書館・電子納本を義務化

●私たちが、本や雑誌を発行した場合、国立国会図書館へ1部納本する義務がある。その代わり、国会図書館では、それらの本や雑誌を保管して、人々の閲覧にも対応してくれる。本を出す者としては、自分の書いた本や雑誌が、後世へ伝えてもらえるという点で、有り難いことである。

●私達は、2008年4月、『芸文稿』という雑誌を創刊した。このような、極めて個人的な同人誌は、どこの図書館でも保管スペースの関係で、寄贈されても保管は出来ない。この点も考慮して、研究会は、この雑誌を国会図書館都立中央図書館国文学研究資料館・東大国文学研究室の4箇所だけに寄贈した。この中で、気になるのは、都立中央図書館の対応である。で、昨日、電話で確認したところ、1号・2号の2冊は保留の形で保管してあるとのこと。つまり、所蔵雑誌として登録してしまって、以下、継続発行されない場合が多く、対応がむつかしいらしい。今年の4月に第3号が出るが、果たして、この雑誌の運命やいかに。

●今日の朝日新聞の記事によると、国会図書館への納本義務を、書籍の電子データにも納本を義務づける方向で検討しているとの事である。中川正春文部科学省副大臣が、そのような「電子納本」の必要性を語ったという。法改正が無ければ、動けないので、政治家が、このような意識を持つことが重要であり、今後の進展に期待している。知的財産の保護などと言って、著作権保護期間の延長を目論んだ政治家とは、雲泥の差である。

■■朝日新聞 2010年2月13日

■同日の朝日新聞には、長尾真・国会図書館長が、「デジタル図書館」の構想を述べておられる。