『近世初期文芸』第26号 発行

●毎年、12月は『文学研究』と『近世初期文芸』の発行を長年継続してきたが、『文学研究』は第95号まできて息が尽きた。その代わりのように『芸文稿』を創刊したが、これは4月発行である。とにかく、私達は、書かずにいられないクセがついてしまった。

●『近世初期文芸』第26号 の内容
○漂流物語の挿絵に表れた異文化認識・・・・・・・・・・・・位田 絵美
   ――『異国すずり』を中心に――
○『恨の介』と『竹斎』 (その二)・・・・・・・・・・・・田中 宏
○『桜山文庫目録 和書之部』(下)・・・・・・・・・・・・深沢 秋男
   ――付、昭和女子大学所蔵「桜山文庫」について――
仮名草子関係新刊書・目次紹介・・・・・・・・・・・・・・深沢 秋男
  『浅井了意全集』仏書編 1 
  『信長公記を読む』(歴史と古典)
  『仮名草子集成』第四十五巻
  『浅井了意全集』仏書編 2

●84ページで、執筆は3名と少しさびしいが、位田・田中両氏の論文は意欲的なものである。私も、ボヤンとしていた、昭和女子大学図書館の「桜山文庫」について整理できて、内心はホッとしている。

●それにしても、『文学研究』『近世初期文芸』『芸文稿』と、この種の学術的な雑誌を長年、編集発行してきて思うことは、そこに関与して下さった印刷・製本の方々の御厚意である。

●『近世初期文芸』創刊は、昭和44年(1969)12月である。印刷は江東区の文進社。孔版印刷であった。青色の原紙にパタパタとタイプで打つ。訂正が大変だった。だから、完全原稿が必須条件。その後、川崎市の稲栄社印刷にお願いしたが、この会社は、法政二高の島本先生の教え子の父親が社長で、そんな縁で、以後、ずっと面倒な仕事を引き受けてくれてきた。現在は、御子息が社長になり、父親は会長に就任されたが、私達の雑誌は、旧仮名・旧漢字もある、ウルサイ内容ゆえ、会長さんが対応してくれている。有り難いことである。

■■『近世初期文芸』第26号(2009年)

■■『近世初期文芸』第1号(1969年)