大東急記念文庫 『かがみ』

●大東急記念文庫から『かがみ』特集号・第40号を頂いた。監修:長谷川強先生、編集:村木敬子氏。大東急記念文庫創立60周年、『かがみ』創刊50年記念の特集号である。

●巻末には総目録がある。創刊号:五島慶太中村幸彦川瀬一馬、第2号:渋井清・小池藤五郎・水野稔・長澤規矩也、第3号:市古貞次・中田祝夫・守随憲治、第4号:木藤才蔵・阿部隆一・浜田義一郎、第5号:横山重丸山季夫・小池正胤、第6号:福田秀一・前田金五郎・・・。創刊号が昭和34年、第6号が昭和36年である。私が大学4年の時、長澤規矩也先生に連れて行ってもらったのは、昭和36年であった。その時、この研究誌には、既にこれらの研究者が執筆しておられたということである。

●この特集号には、巻頭に【特別寄稿】として6名の方々が思い出を寄せておられる。都立日比谷図書館などで御指導を賜った木村八重子先生の「大橋のころ」には感動した。若い頃に、このように草双紙の版元索引カードを作成した積み重ねが、『赤本黒本青本書誌 赤本以前之部』という労作に繋がったのだと思う。長谷川強先生の「六十年の昔」での、一傑人と三碩学の思い出にも、学問の継承という尊さを思う。

●諸先学の築き、蓄積された大コレクションを、私達は利用させて頂く学恩に感謝して研究に励まなければ申し訳ない。このような文庫は、一朝一夕では誕生しないのである。そこに、関与した諸先学の文化財への篤い情熱があって初めて成ったのである。

★『かがみ』第40号の詳細目次→http://www.ksskbg.com/kanabun/news2.html

■■『かがみ』特集号・第40号 平成21年10月23日発行