祝 草間彌生氏 文化功労者 受賞 

●今日のニュースで、画家の草間彌生氏が文化功労者に選ばれたことを知って、大変嬉しく、心からお祝い申し上げる。

草間彌生氏(くさま・やよい、本名・弥生)80歳。絵画・彫刻家として、水玉や編み目模様の絵画など独創的な作品を発表した。01年朝日賞、03年仏芸術文化勲章オフィシェ章。東京都杉並区在住。」(朝日新聞、2009年10月28日)

●私が草間さんと初めてお会いしたのは、昭和53年のこと。友人の松本君からの依頼で、著作権に関してアドバイスが欲しいというもの。草間さんの著作を出した出版社が、その本の宣伝に草間さんの絵を無断で使用し、しかも、作品の部分を切り取って使った、これは著作権の人格権侵害ではないか、という内容であった。私は著作権には興味があり、文化庁の講習にも出ていたので、引き受けた。当時、草間さんは、長年、ニューヨークで活動していたため、英語は話せるが、日本語は不得手になってしまい、2人の会話は筆談だった。

●見せられた本を開いて、私はビックリ仰天した。『マンハッタン自殺未遂常習犯』であるが、序は、ハーバート・リード卿、跋は瀧口修造だった。私は法政大学で谷川徹三先生の芸術学を履修していたが、テキストは、ハーバート・リードの『芸術の意味』で、訳者が瀧口修造だった。草間氏によれば、ハーバート・リードは友達であると言う。長野出身の草間氏の絵の才能を見出して、アメリカ留学を薦めたのは瀧口修造であった。

●草間氏は、アメリカで高く評価され、私がお会いした頃は、日本では余り知られていなかった。以後、日本で活躍され、今度、文化功労者になられた。心からお祝い申し上げる。

■■朝日新聞 2009年10月28日

■■草間弥生氏の作品 アドバイスの謝礼に頂く



■■草間さんからの年賀状