唱歌 『故郷(ふるさと)』

●今日の朝日新聞で、文学博士・高野辰之の唱歌『故郷』を取り上げている。

「兎追ひしかの山
 小鮒釣りしかの川
 夢は今もめぐりて
 忘れがたき故郷」

●この小学校唱歌の作詞は高野辰之、作曲は岡野貞一、大正3年(1914)6月発行の『尋常小学唱歌』に収録されたのだという。新聞には、伊藤千尋・文、小杉豊和・写真で見事な紹介がされている。

唱歌は、高野の生れ育った、長野県の中野市が舞台で、「かの山」は大持山・大平山で、「かの川」は、そのふもとを流れる斑川だという。そういえば、高野の蔵書は斑山文庫という。私は高野博士の『日本歌謡史』『江戸文学史』などの多くの著作の学恩を蒙り、2006年に出した『仮名草子集成』第39巻に収録した『若輩抄』は天下一本の写本であるが、高野博士の旧蔵書であった。

■■高野辰之博士のふるさと。
写真の説明には、「手前の、緑が濃い二つの山が「かの山」。左が大持山、右が大平やま。」とある。