雑誌をネットで有料配信

●今日の朝日新聞によると、日本雑誌協会では、加盟出版社が共同サイトを開設して、ネット上で、雑誌の有料配信を行う方向で検討しているという。先日、IT関連会社のエニグモがネット上で一般雑誌の閲覧・購入サービスを始め、これに対して日本雑誌協会に加盟する出版社は「無断で全文を閲覧できるようにしたことは著作権侵害だ」として中止を求めたというニュースがあった。今度は、それとは別で、出版社自身が、自分が出版した雑誌をネット上で有料で配信しようという事のようである。ネット社会への対応として、当然の動きであろう。

●ただ、実施するに当っては、複雑な著作権や肖像権の問題があって大変らしい。1ページの誌面にも、カメラマン・ライター・モデル・ヘアメーク・スタイリストなど多くのスタッフが関わる。これらの多くの権利者に対しての著作権料の配分システムも確立して、その同意を得なければならない。

●2000年5月13日、菊池氏と私は「J−TEXTS 日本文学電子図書館」を開設した。著作権の無くなった日本文学の本文をネットで公開するというサイトである。この時、開設に先立って、著作権・出版権等に関するガイドラインについてのアンケートを主要出版社に送付した。回答は数件という貧弱なものであった。10年後の現在、書籍のみならず雑誌の世界にもネットの波は押し寄せている。

■■朝日新聞 2009年10月19日