盛況 日本近世文学会
●今日、平成21年度 日本近世文学会秋季大会の案内が届いた。今回は大阪の関西学院大学で、11月7日〜9日に行われる。研究発表内容を拝見して、学会の意欲と盛況を予感させる。
1,国文学研究資料館蔵秋成説書入『万葉集』について 高松 亮太
2,『古今集誹諧歌解』の諸問題 ■(わく)田 将樹
3,四方側分裂―二枚の狂歌合広告が語るもの― 高橋 章則
4,『笈の小文』の板木 永井 一彰
5,奥の細道発句二題 井口 洋
6,初期草双紙における浮世草子受容 矢田 真依子
7,『世間化物質気』巻三の二「我身に惚ぬきし芸者の贔屓」考 長谷あゆす
8,『新語園』における原話離れについて 高橋 隆平
9,『好色一代男』と『京童』 藤原 英城
10,近世中期の出版文化における勧化本の位相 足立 賀奈子
11,江戸版仮名草子の出版とその後 柳沢 昌紀
12,宇治加賀掾段物集検討 川端 咲子
13,歌舞伎と諸芸能 河合 眞澄
●研究発表の題目を拝見しただけでも、実に魅力的な内容が予測できて、拝聴するのが、今から楽しみである。近世初期の仮名草子が専攻の私としては、高橋隆平氏・藤原英城氏・柳沢昌紀氏の初期に関連するものがあり、さらに、永井一彰氏の板木研究の御発表も楽しみである。
●近時、世間の皮相的な現象で、国文学が軽視されがちで、大学のカリキュラムも何やら、可笑しな講座名が目に付き、嘆かわしい思いもするが、決して研究は停滞してはいない。西鶴だ、芭蕉だ、近松だ、秋成だ、仮名草子だ・・・と活気に満ちていた時代に、私はお世話になった。しかし、現在も、近世文学研究は、若い研究者によって、研鑽が続けられている。