恥ずかしながら・・・

●9月も今日で終り、明日から10月である。現役の頃は、もう臨戦態勢だった。自分の研究は、ひとまずオイトイテ、後期の授業の準備と校務の対応に意識を移した。リタイヤした今は悠々自適、ゆっくり起きて、気ままに散歩して、といきたいところであるが、本音は、少々焦っている。少々どころか、かなり焦っている。誠に恥ずかしい。何でこんなに山積して、処理できないのか、老化による遅延もあるが、取り込み過ぎの計画にもよるのだろう。

●今日の、朝日新聞に、87歳のドナルド・キーン氏の写真と談話が掲載されている。キーンさんは日記をつけますか。という質問に、
「残念ながらつけていません。子どものころから記憶力には自信がありましたが、やはり忘れることもあり、後悔しています。永井荷風さんに会った時、すばらしい日本語で話をするのに感動しましたが、どんな言葉で何を話したか、日記をつけておけばよかった」
と答えられる。また、87歳でなお、コロンビア大学で教壇に立っています。失礼ですが、老いということを感じることはないですか。という問いに対して、
「ありません。私は自分のことを、まだ未熟だと思っています。・・・」と答えておられる。

●すごいなあー。と感動する。私は、キーン氏とは異なり、記憶力が悪いので、何事によらず記録してきた。卒業論文の面接諮問の時の、重友先生の評価の言葉も、その日の日記に記してある。そのページを読むと、先生の表情も、感激して顔を赤くした自分もよみがえる。

■■ 朝日新聞 2009年9月30日