鈴木重嶺の門人

●菊池氏の御配慮で、鈴木重嶺の和歌の門人の短冊を入手した。

 竹 延齢友 ふれ言に添ておこせし友垣の 竹を杖にて千代を重ねむ 清麿

佐渡歌人、玉置清麿の歌。短冊の裏に「佐渡国 引田部神社祀官 加茂郡大野村大字武井 玉置清麿 上 中田●勝大人」とある。

鈴木重嶺は、明治31年(1898)11月26日、85歳で没した。重嶺の葬儀記録には、1072名の人々の氏名が記されている。そのうち佐渡の人々は66名である。重嶺が佐渡奉行時代に関係のあった人や、重嶺に歌の指導を受けた人達であったと思われる。葬儀記録は、第1号から第15号まであるが、その第10号に「玉置清麿」の名が記載されている。佐渡歌人に関する研究は、酒井友二氏の『佐渡のうたびとたち』(新潟日報事業社出版部、平成6年9月10日発行)、「明治の佐渡歌壇」(『文学研究』第90号、平成14年4月)などがあるが、研究は未開拓の部分が少なくない。今後の課題であろう。

■■玉置清麿の短冊


■■葬儀記録 第1号
毛利元徳から、勝海舟・松浦詮の名がある。

■■葬儀記録 第10号
4行目に、佐渡の玉置清麿の名がある。