実りの秋  松戸の梨

●宅急便で「おいしい 松戸の梨 をお届けします。」と千葉県松戸の名産の梨が届いた。教え子の飯沼さんからの心づくしの宅急便である。しかし、彼女が大学を卒業したのは、何年まえであろうか。とにかく、かなり前である。昨年、久し振りに、印刷博物館で「ミリオンセラー誕生――明治・大正の雑誌メディア」展を一緒に見たが、彼女は和服で颯爽と登場した。美人である。精神的にも充実している。別に、梨を貰ったから褒めている訳ではない。

●松戸の梨は、8月は「幸水 バランスのとれた素晴しい味」9月は「豊水 みずみずしくほんのり上品な酸味」9月下旬〜10月は「新高 大きさ抜群、味もよし」とある。ゆえに豊水かと思う。これから賞味させて頂きます。自民党のように賞味期限が切れない内に賞味させて頂きます。

●しかし、今、思うと、学生時代の彼女に私は何をして上げたのか。クラス担任の私を助けてくれたのは、むしろ、学生の彼女たちではなかったか。

●昨日、私は、知人の告別式に参列した。私よりも若い、現役の大学教授の御他界である。初七日の法要も済ませ、最後に、お花を捧げてお別れしたが、最後の方で、学生らしい方々が、泣きながら、お別れしている姿に接し、胸がこみ上げてきた。このように、学生から、慕われ、惜しまれ、この世を辞する人もいる。

■■松戸の梨