豪雨の中の行軍

●このところ、少々複雑な作業を続けているので、頭のリセットにと散歩に出た。外は雨上がりで陽もさしている。補給のペットボトルをぶら下げて快調なスタート。例の世界平和を祈願して建立された、金剛院の観世音菩薩にお参りして、遠からず参りますので宜しくッ、とお願いする。

●やがて、道はオオタカの森へ入る。この森は大きくて、通り抜けるのに15分はかかる。何故か、鶯が上手に鳴いていた。鴉も賑やか。そのうちに、ポツリ、ポツリ、雨が降り出し、やがて豪雨に変る。道は泥沼の所もある。ずぶぬれの泥道行進。思い出しても、こんな経験は無い。急に中国の激戦地で戦死した兄を思い出していた。独立工兵第39連隊。豪雨の中でも、泥まみれになりながら、橋の工事などに従事していたのだろう。しかも、雨や泥沼だけでなく、敵兵の銃弾が飛んできたのである。昭和19年7月25日戦死、22歳であった。

●やがて、森を抜けて、当麻園芸の大きな屋根の下で、雨宿りをさせてもらって、豪雨をやり過ごした。庭いっぱいに並べられた草花は、この大雨に大喜びであろう。普段は、5人のアルバイトに水遣りをしてもらっている、と女性の社員は言っていた。