レセプトの IT化

●今日の朝日新聞の報道によると、レセプト(医療費の請求手続き)のIT化が進まないらしい。従来は紙で遣り取りしていた、診療報酬明細書のオンライン化を義務付けて2年経過したが、全体の20%に止まっているという。

●従来、医療機関から審査機関への手続きは紙媒体に限られていたが、1999年から一部の機関で認められ、2001年の厚生労働省の計画では、2004年度には50%以上、2006年度には70%以上、2010年度までにオンライン化する目標になっているとのこと。しかし、今日の報道では「オンライン化されたのは全体の2割」だという。

●オンライン化されない理由は、日本医師会によれば、パソコンに不慣れな高齢の医師いること、診療所でも数百万円の設備投資がかかること、などの理由があるらしい。このような状況をみて、厚生労働省は、これに対応した補助として291億円を09年度の補正予算案で計上したという。

●これが、現在の日本の現実である、という事を認識すべきである。IT化、IT化と言っても、パソコンを起動できない人が多く、パソコンを持っていない人も多い。2年ほど前に、お茶の水女子大学が、新入生にパソコンを無料で貸し出す、と言って、学生募集の目玉にしたこともあった。小学館のSOOK(雑誌の市場)は2007年に発売開始したが、採算に合わず(たぶん)、1年足らずで閉鎖した。私は、10年ほど前から、ホームページを公開してきたが、以前は、月〜金のアクセスは多く、土・日は少なかった。要するに自分のパソコンを持っていない人が多かったのであろう。さすがに、最近はこの傾向が少なくなったが、日本のネット事情は、まだまだ、先進的な諸外国に比較して遅れているようである。