親子二代の労作

●長澤孝三先生の長年の御研究が実って、2冊続けて刊行された。1点は、『高梁市立中央図書館所蔵古書分類目録』(平成21年2月28日、高梁市教育委員会発行、非売品)、もう1点は『新編 史跡足利学校所蔵古書分類目録』(平成21年3月20日、足利市教育委員会事務局 史跡足利学校事務局発行、非売品)である。

●いずれも、所蔵古書の分類目録であるが、膨大な蔵書を調査して、一定基準で分類して配列し、それぞれの書誌的説明を簡潔に記述する。出来上がった目録を見ると、そういうものかと、利用者は思うが、原書を具体的に手に取り、あるべき位置を決めるのは、並大抵な知識では出来ない。少しでも経験のある者なら推測できる大変なお仕事である。

●『新編 史跡足利学校所蔵古書分類目録』は、長澤規矩也先生が作成された、旧目録の後を継承して、御子息の孝三先生が、新しく収集された蔵書の新目録を作成刊行されたものである。規矩也先生は、既に他界なされ、この『新編・・・』を御覧になることは出来ない。しかし、きっと、この度の孝三先生のお仕事を喜んでおられるに違いない。

●この度の、長澤孝三先生の目録を拝読して嬉しいのは、所蔵書に押された、旧蔵者などの蔵書印を全点影印として収録してくれた事である。1点1点見てゆくと、その書への所蔵者の思いが伝わってくるようである。感謝。

★両書の詳細目録→http://www.ksskbg.com/sonota/shin.htm

■■『高梁市立中央図書館所蔵古書分類目録』

■蔵書印印影の一部

■■『新編 史跡足利学校所蔵古書分類目録』

■蔵書印印影の一部