蔵書の処置について

●安藤武彦氏は、長年、近世初期の誹諧師・斎藤徳元を研究してこられ、その成果は、『斎藤徳元研究』上下2冊(2002年7月15日、和泉書院発行、A5判、1064頁、35000円)・『武将誹諧師徳元新攷』(2007年11月2日、和泉書院発行、A5判、280頁、10000円)として実を結んだ。

●その安藤氏の蔵書が、岐阜市歴史博物館に寄贈されたという。2009年3月2日、岐阜市役所で、感謝状贈呈式が行われた。寄贈された【陶玄亭コレクション】の内容は、
〔1〕 短冊・懐紙 292点。
〔2〕 掛幅・巻子 17点。
〔3〕 和書 175点。
〔4〕 摺物・一枚物 20点。
〔5〕 売立目録 129冊。
〔6〕 その他 7点。
■図書 洋装本638冊。雑誌433冊。抜刷170部。戦後の売立目録81冊。
■資料 写真、研究メモ。
などだと言う。

●同館は、3月17日(火)〜4月12日(日)、歴博コレクション「斎藤徳元から広がる世界―陶玄亭コレクションの名品―」を開催するという。

●研究者の蔵書の処置は様々であるが、このような形で、公共施設に寄贈されれば、保存は、ほぼ永久的であるし、研究者の足跡としても末永く伝えられる。しかも、斎藤徳元ゆかりの地の博物館であるので、蔵書は死蔵される事なく、活用されるだろう。これは、理想的な処置であり、安藤氏の選択は見事である。

■『斎藤徳元研究』上下2冊。

■『武将誹諧師徳元新攷』

■「好書至手不論銭」陰刻方形、35ミリ×35ミリ。冨樫省艸刻。

■「萬巻蔵書宜子弟」陽刻方形、40ミリ×40ミリ。冨樫省艸刻。