論文の盗作

●今日の朝日新聞の記事によると、アメリカのテキサス大学のチームが、独自に開発したプログラムを使って、図書館の医学・生命科学の論文データーベースを対象に、論文の相似性を調べ、著者の異なる論文約9千本を抽出、実際に論文を読んで、212本を「盗作の可能性がある」と判断したという。

●結果、盗作された側の著者は、「こんな露骨な盗作は初めて」と厳しい反応が多いという。他方、盗作した側は、「データ借用の許可をとらなかったことは謝罪したい」という釈明が多いという。

●83本の論文は、編集者が内部調査を実施し、46本は「取り下げ」の形で不備を認めたという。しかし、半分は何の対応もとらなかったという。

●この記事に対して、山崎茂明氏は、盗作の実態や問題点を明らかにした画期的な成果だと評価している。また、山崎氏は、盗作が判明したときの論文の撤回方法などにもガイドラインがあるという。自然科学の分野では、ここまで進んでいる。

●文学研究の分野はどうであろうか。研究者は、既に発表された、同じ分野・同じ主題の論文を十分に吸収して、新たな論の提出をしているのであろうか。論文のキーワードを組み立て、データーべースをつくって、研究水準の把握が出来るようにする必要があるように思う。