パイオニア の レーザーディスク

●今日の朝日新聞の報道によると、パイオニアレーザーディスク・プレーヤーの生産を終了するという。長い間、映画鑑賞やカラオケで活躍してきたが、DVDやBDに、その座を譲ったという。記録媒体の日進月歩を思う。

●昭和55年(1980)、私は目黒のパイオニアの本社へ行った。レーザーディスク・プレーヤーの試作機が完成したので、そのソフトの開発を打診されたからである。私は、誠文堂新光社の辞典部だったので、社の代表の1人として見学に行った。当時はビデオテープが全盛であったが、ベーターとVHSが競合しベーターが敗れてVHSに軍配があがっていた。

●パイオニアの試作機でレーザーディスクの画像を見たが、実に鮮明であった。見たのは、確か、自動車の運転免許取得のソフトであったが、動画と静止画を自由に使い分けていた。直径30センチのディスク両面に10万8千枚の画像が収録可能であった。

●私が着目したのは、テープと異なり、静止画の画像が実に鮮明である、ということであった。辞典・文献が専門の私としては、このディスクを画集や写真集や文献複製に利用できないか、ということであった。パイオニアの担当者に、テープの代りの動画としてよりも、静止画として利用できないか、質問した。テープと異なり、2001頁を見たければ瞬時に開ける。これは書籍に代われるのではないか、と。しかし、問題にされなかった。

●現在、記録媒体は、ビデオテープも健在であるが、CD・DVD・BDなどに移行している。私の考えた、図書館等の、画像の保存には、マイクロフィルムマイクロフィッシュ・CD−Rなどが利用されている。まだまだ、絵画・文献の永久保存は、完璧な方法が開発されていない。

■■朝日新聞 2009年1月15日 朝刊
私が、80年に見た、試作機は、この新聞の写真のものと同様であった。30年前が懐かしく思い出される。