ハテナ・キーワード

●ハテナ・キーワードの「井関隆子」「鹿島則文」「鈴木重嶺」の3項目に解説を書き込んだ。3項目の人物に関しては、長年研究を続けてきたので、そういう意味では、私が執筆者としては適任と、自分では思っている。これで、ホッとした。

●ところが、世の中は、そうそう、自分の思うようには、事は進まない。「井関隆子」に関しては、かなり前に日本古典文学辞典が出た時、私には仮名草子関係の原稿依頼があったが、「井関隆子」は収録されなかった。まだ、古典文学の資格が無いと、編者の方々は判断されたのであろう。

●「鹿島則文」は『国学者伝記集成』に早くから採録され、先学の解説がなされてきた。何しろ、鹿島神宮の大宮司家の第67代であり、伊勢神宮の大宮司であるから、歴史上で重要な人物である。ところが、この鹿島則文のまとまった伝記は皆無であった。お孫さんの鹿島則幸氏の依頼で、私が初めてまとまった略伝記を書いた。昭和55年のことである。その後、岩波の『日本古典籍書誌学辞典』には私が項目執筆をした。

●「鈴木重嶺」は最後の佐渡奉行であり、幕府瓦解後は、歌人として活躍した人物であるが、重嶺の御子孫から関係資料が、私を介して昭和女子大学に寄贈された。私は、これを契機に伝記資料の集成を継続して、現在に及んでいる。

●こんな関係で、この3人の人物に関しては、現在では、私がやや詳しく知っている事になるのかナー、と自分では思っている。しかし、これは、私の自分勝手な考えで、世間では違う考えをお持ちの方もいるかと思う。ま、御自由にどうぞ、という事でもある。

●私は、この3人の歴史上の人物の他に、まだ、研究を続けてきた人物がいる。仮名草子作者の、如儡子・斎藤親盛である。この人物に関しては、いずれ研究書を纏めたいと思っている。定年後も忙しい毎日である。