1年後の 礼状

●今日、1枚の礼状が届いた。昨年11月に出した拙著への礼状である。消印は無い。
「ご著書恵贈いただき、ありがとうございました。たのしみに、時間をかけて、読ませていただきます。
職を離れて十年近くなりますが、学者は終生現役と、叱咤された思いです。
私は、唯今、肺ガン(第三期)と悪戦苦闘中(誰も知りませんので・・・)。
ご自愛専一になさってください。」
●30年も前に、大変お世話になったNさんである。本年8月10日に御他界。先日、年末の訃報に接し、驚愕。お電話したら、奥様は、涙ながらに、この礼状を御主人から預かって、投函しなかったと、私に詫びていた。
●今年の年賀状は頂いたのである。賀状のコメントに、少し、少し、齟齬のようなモノを私は感じていた。しかし、感性豊かなNさんのことだから、と解した。
●Nさんと私の関係、そして、病いと闘うNさんを愛する奥様の思いやり、70歳にしてこの世を辞した、余りにも若すぎる夫への慈愛が、ひしひしと伝わってくる。