馬瀬狂言の研究

昭和女子大学日本文学科の山本晶子先生の馬瀬狂言の研究は、ますます進み、その大成が期待される。今日、久し振りに、日本文学科のブログをのぞいたら、山本先生が、馬瀬狂言の実地調査の産物として、馬瀬狂言の上演の様子をレポートしていた。
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「馬瀬狂言の舞台裏2」
[2014年11月25日(火)] <研究室便り>

前回のブログに引き続き、馬瀬町秋祭りで上演された馬瀬狂言の様子をご報告します。

今年のプログラムは、「入間川」と「附子(ぶす)」でした。

まず「入間川」は、大名が帰国する途中、深そうな川に行き着きます。
近くにいた在所の者に川の名と渡り瀬(渡りやすい場所)を尋ねますと、この川の名は入間川だと答えます。
それを知った大名は、在所の者が入間様(入間言葉のこと。言葉の順序を逆に言ったり、反対の意味の言葉を言ったりする逆さ言葉)で答えたと思い込み、教えてもらった渡り瀬と違うところを渡り、ずぶ濡れになってしまいます。

大名は、在所の者を成敗しようとしますが、在所の者が使う入間様が面白く、身につけていた太刀や小袖を与えます。最後は、大名が入間様を使って、与えた物をすべて取り返すというお話です。

もう一曲は、一休さんのとんち話でも有名な「附子」です。

主人の留守中に「食べたら死ぬ」と言われた附子(「附子」とはトリカブトという毒のことです)が気になって仕方がない太郎冠者。次郎冠者が止めるのも聞かず、ふたを開け、食べてみると中身は砂糖。冠者二人で争って、全部平らげてしまいます。

さて、太郎冠者が考えた言い訳は、主人の大切なものを壊してしまったので、死んでお詫びをと思い、附子を食べたが死なれないというもので、二人は主人の前から逃げていきます。
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●この、「附子」では、私は思い出がある。息子が小学校3年くらいの頃だと思うが、国語の予習をしていたので、私が解説してやった。ところが、息子は、途中から涙を流し出した。笑い話なのに、どうして泣くのか、とたずねると、「だって、お父さん、くどいんだもん」とのことの答え。我ながら反省したことであった。
●息子は、私と違って、本を読むのがめっぽう早い。小学生の頃、宮沢賢治の童話の『注文の多い料理店』など、ちくま文庫本で、読んでいたが、あっという間に読み終えた。じっくりじっくり読む私とは能力が違う、と感心したことがある。
■馬瀬狂言 
 山本先生のブログ より