リニア 時速500キロ の時代

●今日の朝日新聞によると、リニア中央新幹線のマスコミ関係者の試乗会があったという。紙上にはその試乗体験がレポートされている。えらい時代になった。私は、仮名草子作品の諸本調査で、昭和37年頃から、日本全国の図書館めぐりをしているが、新幹線、飛行機の登場は凄かった。先学が3日がかりで調査した本も日帰りで可能になった。だから、私は、もっと成果を上げないといけない、そう思ったものである。
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リニア、あっさり時速500キロ 乗り心地を記者が体感中野寛 斎藤健一郎、斉藤太郎 工藤隆治
2014年9月22日22時25分

実験線を時速500キロで走行するリニアの車内=22日午前、山梨県内、関田航撮影
 リニア中央新幹線をPRしようと、JR東海は22日、山梨県内に建設したリニア実験線で、過去最大規模となる報道各社向けの試乗会を開いた。時速500キロ超のスピードと乗り心地を、記者が体感した。
 実験線は、山梨県上野原市から笛吹市間の42・8キロメートル。そのまま、中央新幹線の実際の運行区間の一部となる予定だ。試乗の「駅」は、その区間内に位置する山梨実験センター(都留市)内にある。飛行機の搭乗口のようなゲートを抜け、7両編成の実験用車両「L0(ゼロ)系」へ向かう。
 この日3回あった試乗機会の1回目に参加した。時速500キロって、どんな感じなのか。少し緊張する記者を乗せ、午前10時40分、実験用車両は発車した。十数分後、笛吹市内の実験線の西端まで進み、いったん停車。ここからストップウオッチを使ってみた。
 始動後26秒で時速100キロに。50秒で、タイヤ走行によって加速していた車体が浮いた。スムーズで揺れは少ない。座席は左右に2列ずつ。シートベルトはない。天井付近のモニターが速度や車外の様子を映す。
 1分半が過ぎ、時速350キロにさしかかったあたりで、両耳が少しツンとした。実験線の区間の標高は最高地点が約700メートルで、最低は300メートル。JR東海によると、この標高差も一因ではないかという。
 全体の約82%にあたる35・1キロがトンネル内。小さめの窓の外に時折、緑の山や稲穂が揺れる金色の田園風景が広がる。しかしまたすぐにトンネルへ。暗い中を走り続けているからか、圧迫感がある。実際の中央新幹線の品川―名古屋間も約86%がトンネルだ。
 時速400キロを超えると、「ゴゴゴ」と飛行機のような音がする。持ち込んだコップに7割ほど入れた水は、こぼれるほどではないが、波を立て始めた。2分50秒で、時速500キロを記録。音もいくぶん大きくなり、コップの水はチャプチャプ揺れる。「少し振動はあるが、意外にあっさり到達するな」。窓の外を、トンネル内のライトが飛ぶように流れ去った。
 その後減速が始まると、身体が軽くシートから押し出される感じに。走行は全体で25分間。停止前、浮上していたタイヤが着地し、ズンと軽い衝撃を感じた。うたた寝していれば、目が覚めただろう。
 報道陣向け試乗会は過去2回あったが、今回は最多の計約200人が参加した。JR東海は11月と12月に計8日間、一般向けの有料試乗会を開く。料金は2座席で4320円。詳しくは同社ウェブサイト(http://linear.jr-central.co.jp/)で。(中野寛)
■最高速度時の音量、飛行機内と同レベル
 この日2回目の試乗に参加した別の記者は、音量の測定器を3両目に持ち込んだ。リオン社製の「NL―05」。時速500キロに達した時の客室内は、飛行中の航空機内と同レベルだった。
 出発前は、ざわめきなどもあって音量は53デシベル。「全国環境研協議会」作成の「騒音の目安」によると、書店内の音量レベルだ。出発後は時速約175キロで車体が浮き、ガタンと揺れた。数値は68デシベル。300キロで73デシベルを超え、セミの鳴き声と同レベルになった。約3分後に500キロに達した時は81デシベル。飛行機内と同レベルだった。
 一方、山梨県立リニア見学センター都留市)の近くで、目の前を最高速度で通過する際の音量も測定した。鉄道のレールに相当する「ガイドウェイ」から約10メートル離れた地点。リニアが近づくと「ドドドドッ」という地鳴りのような低音が迫り、空気を切り裂く「キーン」という高音が混じると、一瞬でリニアは横切った。空気が揺れているのが分かる。測定値は85デシベルで、車内よりはやや高め。パチンコ店内の騒音よりやや低い程度だった。
 JR東海は地上部分をかまぼこ形の防音フードで覆うなどし、「今後、車内、車外とも騒音をもっと減らす」としている。(斎藤健一郎、斉藤太郎)

■2027年開業目指す 
リニア中央新幹線に使われるリニアモーターとは、「直線のモーター」という意味。家電などに使われるモーターと基本的な原理は同じで、磁石が引き合う力と反発する力を使う。地上に直線状に置いたコイルに電気を流して磁力を生みだし、車体側の磁石を引っ張ったり押したりして加速するとともに、車体を10センチほど浮かせている。
 東京・品川―名古屋間で2027年の開業を目指すJR東海は、環境アセスメントを終え、工事を始める認可申請を8月末に国土交通相に提出した。今秋にも認められる見通しだ。(工藤隆治)
■リニア 体験
 朝日新聞 デジタル より