電子書籍の所有権

●今日の朝デジ通信で、電子書籍の問題点を取り上げている。1部だけ紹介するが、要するに、電子書籍は、紙の書籍とは違って、その運営会社が閉鎖すれば、その電子書籍は消滅する可能性がある。先日のビットコインと同様に、利用者は、それだけの準備をして、利用すべきである。運営会社は、旨みがないと判断すれば、さっさと引き上げるのである。
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電子書籍は誰のものか
2014年2月27日16時07分
 ソニーアメリカ法人、米ソニーエレクトロニクスは2月7日、北米で運営する電子書籍ストア「ReaderStore(リーダーストア)」を3月20日に閉鎖し、顧客を楽天が運営する電子書籍大手コボに引き継ぐ、と発表しました。日本と欧州では最新のソニー電子書籍リーダーが投入され(画像1)、当面、日本での顧客に変化はありませんが、利用者が不安を感じる話ではあります。電子書籍ストアが閉じる時、我々には何が起きるのでしょうか? 持っている本はどうなるのでしょうか、ことは電子書籍に限った話ではなく、映画や音楽、ゲーム内アイテムまで、すべてのデジタルデータに関わる問題です。「デジタルで所有するとはどういうことなのか」を改めて考えてみましょう。(ライター・西田宗千佳)
電子書籍の購入は「利用権」の購入 
ソニーエレクトロニクスはリーダーストア閉鎖をウェブサイトで発表(画像2)。これに関してソニーは「現状では北米からの撤退であり、日本や欧州などでサービスの終了予定はなく、継続強化する」とコメントしました。
 さて、電子書籍ストアが「閉店」すると、購入した電子書籍は具体的にどうなるのでしょうか?
 電子書籍専用端末であれ、タブレットスマートフォンであれ、個々の端末にダウンロード済みの電子書籍は、これまで通り読めます。ですがそれは、機械が壊れたり、データを消したりしない限り、という前提がつきます。
 現在販売されているほとんどの電子書籍には著者・出版社の要請で、暗号化によるコピー防止機能(通常、DRMと呼ばれます)がかけられています。そのため、データをコピーし、他の機器へ移して読むことはできません。
 電子書籍ストアがサービスを継続している時は、自分のアカウントで購入した書籍のリストが、まるで「自分のネット上の本棚」のように記録されているため、対応端末からは、いつでもダウンロードし、読むことができます。仮に端末内から消してしまっても、端末が壊れて読めなくなってしまっても、別の端末にダウンロードするだけ。データを自分でコピーしてもっていく必要はありません。
 ですが、購入した電子書籍ストアが閉店してしまうと、「ネット上の本棚」へのアクセス権がなくなるのです。そして前述のように、端末から端末へのコピーができない以上、「買った本が読めなくなる可能性」が出てくるのです。
   以下、長文ゆえ省略
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〈紙の書籍と電子書籍はこう違う〉
■「購入」の意味
紙の書籍→所有権
電子書籍→利用権
■貸し借り・中古売買
紙の書籍→自由
電子書籍→原則不可能(一部例外あり)
■かさばりやすさ
紙の書籍→量が増えると大変
電子書籍→増えても問題なし
■耐久性(短期)
紙の書籍→水や火などで傷みやすい
電子書籍→サービス継続中は変わらず読める
■耐久性(長期)
紙の書籍→慎重に保存すれば百年単位でもつ
電子書籍→いつかは端末もサービスもなくなる