電子書籍 蔵書が消える

●今日の朝日新聞に、電子書籍の問題点が指摘されている。

「買ったはずの蔵書が消える 電子書籍、企業撤退相次ぎ」

電子書籍は、自分の本ではない。
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 電子書籍事業から撤退するローソンの異例の対応が話題になっている。2月下旬のサービス終了に伴い、これまでの購入者全員に対し、購入額の相当分を、ローソンなどで現金と同じように使えるポイントで還元すると発表したからだ。
 同サービスは、ネットを通じてサーバーに置かれた書籍を読むという仕組み。どこでも「購入」した書籍を読めるのが利点だったが、サービスが終了すると書籍は消えてしまう。
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 「電子書籍元年」と言われた2010年以降、多くの企業が電子書籍に参入した。だが、ソニープレイステーション・ポータブル(PSP)用の漫画コンテンツ事業、楽天の「Raboo」、旧ビットウェイ関連会社の「JManga」など、サービス終了が相次ぐ。PSP、Rabooは、書籍をダウンロードして端末などに記憶させる仕組み。サービス終了後も読めるが、端末が壊れたり、データを削除してしまったりすると使えなくなる。
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 電子書籍は物ではなくデータ
 「電子書籍は購入しても『自分の物』ではない」。出版ビジネスに詳しい福井健策弁護士は指摘する。電子書籍は物ではなくデータ。データに所有権はなく、「条件付きレンタル」のようなものという。企業の撤退などで「返却」させられる恐れがついて回る。
 実は権利関係は利用規約に書かれている。最大手のアマゾンの電子書籍ストアの規約は「お客様にライセンスが提供されるものであり、販売されるものではありません」と明記。ただ、長文の規約をすべて読んで理解している消費者はほとんどいない。
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 出版デジタル機構会長も務める植村八潮・専修大教授(出版学)は、一度読むだけなら電子、読んだ思い出も含めて手元に残しておきたいなら紙というように、「紙の本にはできない機能を求めて、使い分けを考えるべきだ」と話す。
  【朝日新聞 より 1部省略してある】
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電子書籍は、ネット社会の便利な手法であるが、ローソンのように、利益追求でこの業界に参入し、ウマミがなければ撤退する。そのような淘汰を経て、新しい文化が定着してゆくのであろう。社会全体で、システムや法律を決めて、[書物]という文化を継承することになるのであろう。
■紙の本と電子書籍  朝日新聞より